
明日のことはいいとして、20年後、30年後の将来を考えると漠然と不安になりますよね。
そんな不安のなかでも大部分を占めるのが「老後のお金」のことだと思います。
以前、金融庁が「老後に2000万円の貯金が必要」と言って話題になりましたしね。
これから超少子高齢化が進むに従って、社会保険料はクソ高くなっていって最終的に年金制度が破綻して年金がもらえないのでは? と感じている現役世代も多いかと。
で年金は破綻するしないだの、年金は損するだの、真偽はともかく色々な情報が出回っています。
僕自身もう20歳ということで社会保険料を納め始めなければいけなくなるのですが、純粋に疑問に思ったんです。
「結局年金って得するの?損するの? 年金制度は破綻するの?」と。
将来損するならできれば払いたくないですし、得するなら喜んで払いますよ(笑)
と言うことで今回は
- 年金制度は破綻するのか?
- 年金はどれくらい得/損するのか?
この2点をまとめていきたいと思います。
年金制度の仕組み
まずは年金制度の仕組みを把握したいと思います。
複雑な部分はさておき、20歳から60歳までの間保険料を納め、65歳になれば加入期間や支払った額に応じて死ぬまで年金を受け取ることができます。
さらに会社員や公務員などは厚生年金に加入することになり、給料から天引きされます。
そしてその分が上乗せされて支払われるというわけです。
そして、この支払った保険料はそのまま積み立てられるのではなく、現在の高齢者への年金支払いに充てられます。
まあ、実際年金の半分くらいは国庫から支出されているんですけどね。
ではこれからがっつりと損得を計算していきたいと思います。
ただ、厚生年金は所得とかも影響するのでこの記事では扱わず、国民年金のみ扱うものとします。
年金受取の条件
まず、年金を受け取ることのできる条件は「保険料を納付した期間と免除または猶予された期間を合算して10年以上」です。
もちろん払った保険料が多いほど貰える額は多くなります。
学生で保険料を払うのが難しい場合は学生納付特例制度というのがあって、保険料の納付を猶予することができます。
そしてこの学生納付特例制度で猶予した期間もその10年に含まれます。
未納で放置するとその期間はカウントされないので、払いたくない場合はちゃっかり制度を利用しておきましょう。
まあ、猶予された保険料も10年以内なら追納できますしね。
結局得なのか損なのか
とりあえず、「払った保険料<受け取れる年金」となればいいわけです。
そして、払った額=貰える額ではないということです。将来の年金は現役世代が払ってくれます。
結局年額でいくらもらえるのかと言うと

この計算式で計算されます。
全額免除や一部免除は前年所得が一定額以下の場合申請することができます。
では実際にいくら払って、いくらもらえるのか計算しましょう。
現在、保険料を納めないといけないのは60歳までですが、将来延びたとして80歳になるまで払い続けるとします。
つまり60年。
保険料は月16,540円ですから、払う合計金額は16,540×12×60=11,908,800円です。
大体1,000万円くらいですかね。
で貰える額はいくらかと言うと、満額で年781,700円です。一月当たりでは約65,000円です。
こう考えると少ないですが、まあ国民年金だけで考えてますから厚生年金も加えればもう少し増えそうです。
そして何年で元が取れるのかというと、約15.2年です。
つまり、16年貰い続ければ得をするということですね。
人生100年時代というくらいなので100歳まで生きるとしましょう。
そして年金の受給開始は80歳となるでしょうから、この場合単純に平均くらい長生きすれば十分元は取れることになります。
つまり長生きすればするほど得ということです。
また、所得税は収入から社会保険料分を引いた金額にかかるので、自分で運用するよりも若干有利だったりします。
年金制度は破綻するのか

いくら得だといっても途中で年金制度そのものが破綻してしまえば水の泡です。
正直言って、年金の制度そのものが破綻する確率は極めて低いと思います。
年金が無くなって一番困るのはその時の年金受給者です。つまり高齢者。
年金をやめるかの判断をするのは国会議員です。
国会議員は高齢者の票に支えられているわけですから、議員は「年金をやめる」なんて口が裂けても言えないわけです。
それどころか、何が何でも年金と言う制度を死守するのではないでしょうか?
実際、今現在年金は保険料だけでは賄っていませんしね。
あと意外と知られていないかもしれないですが過去積み上げられた保険料は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用しています。(国民年金と厚生年金)
運用資産額は約170兆円です。国家予算より多いやん!
というわけでGPIFは世界最大の機関投資家なんて呼ばれたりしてます。
で、こちらが2001年度からの運用実績のグラフです。

まあ、長期的に見てマイナスにはならなさそうですね。
年金が破綻するときは多分日本が崩壊するときでしょう。
老後2000万円問題について

ここまで
- 国民年金については長生きすればするほど得
- 年金制度自体が崩壊する可能性はかなり低い
という考えるに至ったわけですが、だからと言って安心かというと疑問です。
まあ厚生年金(国民年金)の平均受給金額は男性で月16万円、女性で10万円ほどです。
結婚しているか共働きかによってもかなり変わりそうですが、老後は月26万円の収入ということになります。
ここで老後2000万円問題が出てくるわけです!
月26万円くらいあれば生活自体は可能です。
しかし、事実として2017年の高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の毎月赤字額(実収入-実支出)の平均値は約5.5万円なんだと。
それを2、30年続けると合計で2,000万円くらいの赤字になるから、自分で貯めといてね、ということです。
ということで、まあ2,000万円なくても生活できますよ、多分。
それでも老後はリッチに暮らした方はiDeCoやら積立NISAなどで資金を用意しときましょう!
まとめ
結論、国民年金に関しては長生きすれば得です。
老後2,000万円問題に関しても、豊かな生活を送りたいなら2,000万円用意しましょうね、ということです。
あくまで平均して月5.5万円程度くらい赤字になってますよ、というデータですからね。
というわけで、年金は払っておきましょう!
学生なら保険料の納付を猶予してもいいかもしれないですね。