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【考察】『HUMAN LOST 人間失格』を原案の『人間失格』と比べてみた

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今回は映画『HUMAN LOST 人間失格』と原案である『人間失格』の内容を踏まえて考察していきたいと思います。

映画の方はなんかごちゃごちゃしてて、内容が捉えにくかったのですが、原案と比較していけば、極致っぽいとこに辿り着けるんじゃないか的な。

とは言え、『人間失格』自体がそもそも深い内容なので、そこはご了承ください。
詳しい内容(ネタバレを含む)はこちらをどうぞ。

また、今回考察をするにあたって、中田敦彦のYouTube大学の動画を参考にしました。マジで感謝。動画の一つを載せておきます。

登場人物

大庭葉蔵

まずは分かりやすい共通点なのですが、登場人物の名前は原作由来です。

主人公である大庭葉蔵は共通していますね。
他の共通点としては、

  • 酒、薬に溺れている
  • 絵を描いている
  • 居候している

くらいでしょうか。また、映画で登場した「地獄の馬の絵」は原作でも登場します。

幼少の葉蔵が竹一に裸婦画を見せたところ、竹一は「地獄の馬に見える」と言った場面です。映画では竹一の遺品として「地獄の馬の絵」 が登場しましたが、これは、葉蔵と竹一をつなぐものとして引用されたのかも。

原作では主人公を幼少のころから描画していますが映画ではほとんど触れられていません。

ただ、父親に首を絞められながら「笑え」と言われ、そして父親を殺してしまった、ということを告白する場面はありました。

原作では主人公の父を殺していませんから、相違点ですね。

しかし、「笑え」と強要された、という部分から原作の冒頭の一枚目の写真の「笑ってはいるが笑顔ではない子供」に通じる部分があるのかも。

そして、葉蔵の怠惰な生活の原因が父親にある、という点は共通してますね。

竹一

映画では竹一は暴走族のヘッドだったわけですが、原作では主人公の唯一の友達という部分は共通しているものの、性格は正反対です。

原作の竹一は、物静かだからこそ主人公の本性を見抜いてしまうような人物だったのですが、映画ではやたら明るいアニキみたいになってます。

原作でいう堀木の立場(葉蔵をぐいぐい引っ張ていく)も含まれているように感じました。

しかし、映画で「葉蔵の絵をほめたたら絵を描きだした」と言っていたので、葉蔵が絵を描くきっかけを作った点は共通していますね。

堀木正雄

映画では悪役だった堀木正雄ですが、原作では世界を破滅さたりはしてません。

物語を分かりやすくするために、悪役にした。あるいは、悪役に堀木という名前を当てただけかも。

というぐらいで、共通点は少ないですね。

葉蔵を悪い方向へ導いていく存在として描いたのかもしれません。

柊美子

文字こそ違いますが原作のヨシ子がモデルであると断言してよいでしょう。

性格も似ていて、とてもピュアです。

映画でも原作と同様に、葉蔵を堕落から引き上げる存在として描かれています。

葉蔵がロスト体になって自我を失いそうになっても、美子の力で人間に戻ることができるのも、この存在を象徴しているのかもしれません。

現実を見ないで、自分の信じたいものだけを信じている点で共通していますね。

ただ、映画では美子と葉蔵の間に恋愛感情があったかどうかは不明ですね。

原作では、幼少のころから誰を信じていいのか分からない主人公が、何事も信じるヨシ子に惹かれたわけです。

映画では、主人公の過去が削られていて、人間不信かどうかの判断が難しいです。また、主人公は嘘をつきまくってたわけでもないですしね。

そういうわけで、個人的には恋愛感情があったようには見えませんでしたが、美子のことを大切に思っていたことは事実だと思います。

そう思っていなければ、臓器を抜かれた美子を見て悲しむわけないですからね。

ヒラメ

原作では主人公のお目付け役として登場する平目ですが、映画ではロスト体に対抗する秘密組織の名前となっています。

主人公を気にかけている、という点は同じなのかな。

ストーリー

ストーリー全体を見てみると、そこまで共通点ば多くないです。

原案が、人は何を信じればいいのか、を始めとした「人間の心の闇」を描いていたのに対して、映画ではディストピア(ある意味ではユートピアかも)系のSFになっていました。

構成は3部構成でしたが、映画の方ではそもそも区切る必要もなかったように思います。

社会問題を扱っている点では共通していますが、ストーリーとしては全く別物かなと。

まとめ

今回の考察を諸々まとめると、『HUMAN LOST 人間失格』は『人間失格』の部分的な要素を散りばめたSF作品です。

説明では「原作」と表記しましたが、実際はあくまでも「原案」なので別作品ととらえた方が収まりがよさそう。

それでも、所々に原案がモチーフになったであろうシーンが挟まれているので、『人間失格』を知っている人はそれらを見つける楽しみもありそうですね。





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