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【アニメ】映画『HUMAN LOST 人間失格』のあらすじの解説【ネタバレ】

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今回は話題のSFアニメ映画『HUMAN LOST人間失格』を見たので、その感想を紹介したりや軽めの考察をしていきたいと思います。

結論から言うと、ネタバレしたくてもネタバレできない映画でした。

どういう事かというと、内容は分かるんですがそれがどういう意味を表しているのかがよく分からない、といった感じです。

そんなこと言っても仕方ないので、予告編と本編の内容をまとめてから、全体的な感想を紹介していきます。

太宰治の『人間失格』を踏まえた考察はこちら

予告編の感想

昭和111年 労働時間19時間 環境に全く配慮しない経済活動でGDP 世界一位になった日本。 平均寿命120歳、年金1億円を達成。

これを聞いてとても厨二心をくすぐられましたね。めっちゃゾクゾクする。

環境への配慮や働き方改革 が叫ばれているこの現代でその方向性と真逆の設定というのがなかなか面白いなと。

いきすぎた社会は歪みを生み出し、やがて人々が狂いだして、全人間が「失格」した、という内容でした。

まあ、予告編だけではどんな内容なのかは分かりませんでしたが、雰囲気であったり、アクションシーンは面白そうな感じでした。

ロストとは何なのか、失格とは何なのか、どういう結末なのか、がとても気になりましたね。

内容の前に用語の解説

これから、本編の内容を見ていく前にSFならではの世界観や用語、人物の説明をしておきます。

GRMP

遺伝子操作、再生医療、ナノマシン、万能特効薬の4大医療革命のこと。各頭文字を取ってるらしい。

平均寿命120歳の無病長寿大国である日本を根本をなす技術。

S.H.E.L.L

作品上の日本の根本をなす、国民の健康を守るための機関またはシステム。

国民は全員がネットワークに繋がり、S.H.E.L.Lによって管理される。どんな身体の欠損や病気なども回復させる。

ロスト

S.H.E.L.Lのネットワークから外れることで人が異形の化け物になってしまう事。

寿命以外の唯一の死因である。あとロストした人間(ロスト体)は戦闘力が爆上がりする。

アプリカント

S.H.E.L.Lのネットワークの外の特別な存在。ネットワークの外にいるのに死なない。

ヒラメ

ロスト体に対抗する秘密組織。ロスト体を対処して治安を維持する。

アウトサイド

環状16号線より外側の地域、大気汚染と貧困が広がる。

インサイド

環状17号線以内の地域、特権階級が住まう。政府機関もインサイドに存在する。

文明曲線

国民の健康状態の膨大なデータから導かれた未来予測。変動しながらも「破滅」と「再生」に二分されていたが、葉蔵のアプリカント化によって第三の曲線が生まれる。

「破滅」は正雄、「再生」は美子が影響を与えている?

大庭葉蔵

主人公。薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる青年でバーに居候して絵を描いている。生きる意味を見いだせないでいる。

竹一らの”インサイド突貫”の際に一度ロストするが回復し三番目のアプリカントとなる。

竹一

葉蔵の唯一の友達。葉蔵に対して明るく接する兄貴的な存在。アウトサイドの暴走族のヘッドで、「死ねない社会」に対して反感を持っている。

竹一が昔に葉蔵の絵をほめたことで葉蔵は絵を描きだした。

堀木正雄

葉蔵や竹一の知り合い。白髪オールバック眼鏡。最後の医者だった人物でS.H.E.L.Lの開発者。 第一号アプリカント。

怪しげな薬を使ってロスト体を発生させている犯人。

高度に発達した社会システムに全人間が「失格」したとして、 S.H.E.L.Lを破壊し、全人間をロスト化させて保存遺伝子から新しい人類を生み出そうと企んでいる。

ロスト体を自由に操る能力を持つ。

柊美子

本作のヒロインでヒラメの女隊員。S.H.E.L.Lの広報官でもある。S.H.E.L.Lが明るい未来をもたらすと信じている。

第二号アプリカントで、ヒューマンロスト現象を感知し抑え込む不思議な力を持っている。

本編のあらすじ

というわけで本編を見たわけですが、『人間失格』(以後、原案)と同様に3部構成となっていました。そして「恥の多い生涯を送ってきました」という言葉から始まります。そこから過去の回想に入ります。

第一手記

第一手記の内容を一言で表すと、竹一が暴走して葉蔵がアプリカントになる、という感じです。

どんなに重いけがをしても死なず、すぐに治るので竹一率いる暴走族は暴走しまくってました。

そんなこんなで、竹一はインサイドへの侵入"インサイド突貫"を試みます。つまりはバイクをぶっ飛ばして警備を突破しようとしたわけです。

流れで葉蔵もついていくわけですが、なんやかんやあって、インサイドのゲートに爆弾をのっけた車を突っ込ませて竹一はなんとか警備を突破することに成功します。

しかし、そこで竹一がロストしてしまいます。で連鎖的に葉蔵もロスト化。

ロスト竹一がロスト葉蔵を殺そうとするも、覚醒して返り討ち。

そして、そこに居合わせたヒラメの部隊の美子によってロスト化が解かれて終わります。

葉蔵は自身を一時的にロスト化できる能力を持ったアプリカントになりましたとさ。

第二手記

第二手記の内容を簡単にまとめると、正雄と美子が葉蔵を自分の味方にしようとする、といった感じです。

正雄はS.H.E.L.Lの破壊、美子はS.H.E.L.Lの存続を目指しており、正雄は葉蔵に自身の"計画"の完遂を、美子は未来に対する希望を見ます。

<正雄のターン>

ロスト体が本当の人間の姿であってS.H.E.L.Lがそれを抑え込んでいるに過ぎない。進みすぎた社会システムに人間は失格したと。

それで、このままだと社会が崩壊しちゃうからその前にぶっ壊して、リセットしようぜ、的なことを話します。そして葉蔵に「崩壊した世界のイメージ」を見せます。

<美子のターン>

正雄の見る未来は選択肢の一つでしかなく、未来はもっと幸せなものになるはずだ、と美子は葉蔵に伝えます。

そして「青い空の広がる美しい世界のイメージ」を見せます。

といったところで、正雄が登場して攻撃、葉蔵がロスト化。

それで正雄がロスト葉蔵に葉蔵の心臓を渡すように命令して、正雄はロスト葉蔵の心臓を手に入れます。ロスト葉蔵に美子を殺すように命令して正雄は逃げます。

どうにかして、美子を殺す前に葉蔵は元に戻りましたが意識を失います。

第三手記

第三手記の内容を簡単にまとめると、葉蔵が美子の心を受け取って正雄を倒す、といった感じです。

意識を失った葉蔵の心に美子が入り込み、葉蔵と対話します。そこで美子は「私は未来を信じてたかっただけなのかもしれない」と言い、自分の心を葉蔵に渡します。

そんな中現実世界では、意識の戻らない葉蔵の臓器を老人たちに移植することで、老人たちの健康状態を改善させようという動きが起こっていました。

葉蔵の持つアプリカントの因子が健康状態を回復させる的な感じです。

そして、それを阻止したかった美子が葉蔵の代わりに自分の体を提供します。心は葉蔵に捧げると。

美子から心を受け取った葉蔵は目を覚ますとすぐに美子を探し始めましが、美子は既に全身の臓器を抜き取られた状態でした。

その時東京では120歳以上の人たちを祝う「合格式」が行われていました。

しかし正雄が多数のロストを発生させて巨大ロスト体にしてS.H.E.L.Lを壊しに来ます。(葉蔵の心臓でパワーアップ済み)

で、大激戦の末、美子の意思を引き継いだ葉蔵が正雄を倒します。

しかし、美子と正雄が死んでも文明曲線は崩壊したままです。未来は定まらないと。

実際世界には第二アプリカント(美子)の因子を持った多数のロスト体を含むロスト体が大量に出現し、社会は破滅も再生もしませんでした。

そんな中、葉蔵は「恥の多い生涯を送ってきました」と言い、ヒラメの一員となって美子の信じた未来を実現するために淡々とロスト体を倒していく、という終わり方です。

感想

一言で表現するなら、分かりにくい内容でした。(だからあらすじが全然まとまって無いんだよ!)

SFにありがちな緻密な世界観の理解が追い付かないまま、話が進んで行ってしまっている印象でした。

それでも、「死」があるから「生」があって、その死が無くなってしまえば「生きる」とは何なのか、ということは考えさせられました。

現代、医療技術の発達により人間の寿命は延びているわけですが、健康に長生きすることが幸せなのかと社会に問いかけているようにも取れます。

そして、未来像として正雄が「破滅」美子が「幸福」を象徴していて、お互いにそれぞれの未来を信じていたわけですが、実際社会は良くも悪くもならず、ただ「今」が過ぎていくだけなんだなー、と。

とまあ、相対論的ですよね。
「死」があるから「生」があり、「幸福」があるから「破滅」がある。

結構、人間社会の本質的なことが表現されていたりするのかもしれませんね。

映画よりも小説でじっくり楽しみたい作品でした。

太宰治の『人間失格』を踏まえた考察はこちら【考察】『HUMAN LOST 人間失格』を原案の『人間失格』と比べてみた





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